α世代の特徴とは?デジタルネイティブの次に来る子どもたちの実像

研究所の学生研究員が、10歳下の妹の話をしてくれました。テレビのリモコンに向かって話しかけ、反応しないと壊れたと言う。紙の雑誌を指でつまんで広げ、写真を拡大しようとしたこともあるそうです。生まれたときから、画面は触れば動くものだった子どもたち。それがα世代です。デジタルネイティブと呼ばれてきたZ世代の研究員でさえ、妹にはついていけない気がすると笑っていました。

α世代の定義|名付け親はオーストラリアのマクリンドル研究所

α世代は、オーストラリアの調査会社マクリンドル研究所が命名した世代区分で、2010年から2024年ごろに生まれた人たちを指します。X、Y、Zとアルファベットを使い切ったため、ギリシャ文字の最初の文字アルファに戻りました。単なる続きではなく、新しい何かが始まる世代だという意味が込められた命名です。
同研究所は、α世代が世界でおよそ20億人に達し、人類史上最も人数の多い世代になると見込んでいます。細かい区切りはα世代の年齢範囲で整理していますが、2026年時点の最年長は16歳。まだ全員が子どもか10代半ばです。

始まりの2010年|iPadと同い年の子どもたち

α世代が生まれ始めた2010年は、AppleがiPadを発売し、Instagramがサービスを開始した年でもあります。この世代は、タッチスクリーンと写真共有SNSのない世界を一度も経験していません。
キーボードやマウスより先にスワイプとピンチを覚え、テレビより先に、見たいものを指名して呼び出せるYouTubeに出会う。Z世代が10代でスマートフォンを手にした後天的なデジタルネイティブだとすれば、α世代は先天的なデジタルネイティブです。

Z世代との違い|育った環境を並べるとこう変わる

項目 Z世代 α世代
生まれ年の目安 1990年代半ばから2010年ごろ 2010年から2024年ごろ
物心ついた頃の画面 テレビとガラケー、途中からスマホ 最初からスマホとタブレット
動画の原体験 テレビ番組からYouTubeへ移行 はじめからYouTubeが基準
AIとの出会い 10代後半以降に生成AIが登場 小学生のうちに生成AIが日常化
親の中心世代 団塊ジュニア・X世代 ミレニアル世代

連続しているようで、原体験の質が違います。Z世代はデジタルへの移行を覚えている最後の世代、α世代は移行そのものを知らない最初の世代です。

特徴1|動画が母語になっている

α世代にとって動画は娯楽の一つではなく、情報の入口そのものです。わからないことがあれば文字で検索するより先に動画を探し、遊びも学習も実況動画で覚える。研究員たちが弟や妹を観察していても、ゲームの攻略を文字の記事で調べる子はほとんど見かけないといいます。見るだけでなく作る側に回るのも早く、小学生のなりたい職業ランキングでYouTuberが上位の常連になっているのはその象徴です。
くわしくはYouTube視聴の実態で扱いますが、家族全員でテレビの前に集まる原風景を持たないことは、この世代を考える出発点になります。

特徴2|生成AIとともに育つ最初の世代

OpenAIがChatGPTを公開したのは2022年11月。このときα世代の最年長はまだ12歳でした。彼らは、思春期を迎える前に生成AIが当たり前になった、人類で最初の世代ということになります。宿題の相談相手がAIであることに驚きがなく、検索とAIへの質問の区別も曖昧なまま育っていく。この感覚はAIネイティブという言葉で語られ始めています。
電卓の登場が暗算の位置づけを変えたように、AIは調べる、書く、描くという行為の位置づけを変えていくはずです。

α世代を新しいZ世代として扱うのが、一番の間違いだと研究所は考えています。Z世代はデジタルに適応した世代、α世代はデジタルしか知らない世代。適応の記憶があるかないかは、価値観の土台そのものを分けます。

α世代と向き合う企業へ|観察は家庭から始まる

α世代はまだ自分の財布を持ちません。それでも、親であるミレニアル世代の購買には家族の一員として強い影響力を持ちます。旅行先も外食も、子どものひと言で決まる家庭は少なくありません。少子化が進む日本では人数こそ絞られますが、両親と両家の祖父母から支出が集まるシックスポケットの構図があり、子ども1人に注がれるお金と関心はむしろ濃くなっています。
世代の全体像は親ピラーのα世代とはにまとめていますが、この世代の調査は本人への質問だけでは完結しません。質問に答える言葉をまだ十分に持たない相手だからこそ、親子をセットで観察する設計が欠かせないのです。

若者研究所では、現役の学生研究員によるグループインタビューや、その弟妹世代までを見すえた家庭内の観察調査を通じて、企業のマーケティングと商品開発を支援しています。若者リサーチのご依頼お問い合わせはお気軽にどうぞ。

よくある質問

α世代とは何歳から何歳までの世代ですか?

命名者であるオーストラリアのマクリンドル研究所の定義では、2010年から2024年ごろに生まれた世代を指します。2026年時点の最年長は16歳で、まだ全員が子どもから10代半ばです。

α世代という名前の由来は何ですか?

X、Y、Zとアルファベットを使い切ったため、ギリシャ文字の最初の文字であるアルファが採用されました。オーストラリアの調査会社マクリンドル研究所による命名で、単なる続きではなく新しい時代の始まりという意味が込められています。

α世代とZ世代の一番大きな違いは何ですか?

デジタルへの移行を経験したかどうかです。Z世代は成長の途中でスマートフォンに出会い適応した世代ですが、α世代は生まれたときからタッチスクリーンと動画配信があり、小学生のうちに生成AIにも触れて育つ最初の世代です。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。

この記事の監修者

三上広葉
三上 広葉 | 若者の研究所 所長

2025年より株式会社バイデンハウス取締役。バイデンハウスの飲料・食料、美容・コスメ、SNSのリーダーシップ。Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。

この記事を書いた人

石崎 健人

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。