Z世代の特徴とは?当事者研究員の観察でわかる10の共通点と誤解

初対面の店を予約する前にInstagramのタグを30分さかのぼり、届いた服はまずメルカリでの相場を確かめ、深夜の悩みはAIに打ち明ける。研究所の学生研究員たちの日常を横で見ていると、上の世代が後から身につけた習慣を、彼らははじめから標準装備していることに気づきます。
Z世代の特徴とは何か。世間のイメージではなく、当事者と毎週顔を合わせている研究所の観察から、10の共通点に絞って整理します。

Z世代の特徴|まず10の共通点を一覧で

Z世代はおおむね1990年代後半から2010年代初頭に生まれた世代です。年齢の線引きには諸説あり、くわしくはZ世代の年齢早見表で整理していますが、共通するのは物心つく頃にはスマートフォンとSNSがあった環境で育ったこと。そこから、次の10の特徴が生まれています。

共通点 ひとことで言うと
1. タグる 検索の起点がGoogleではなくSNSのタグ
2. 失敗回避 買う前・行く前に口コミと動画で答え合わせ
3. タイパ重視 時間対効果で娯楽も人づき合いも取捨選択
4. 堅実と課金の同居 ふだんは節約、推しと体験には惜しまない
5. 限定公開 発信はストーリーズと親しい友達が中心
6. 複数アカウント 相手ごとに見せる自分を使い分ける
7. 盛らない志向 作り込みより等身大とその場感を好む
8. 多様性が前提 違いを主張ではなく当たり前として扱う
9. 消耗しない働き方 出世より心身の安定と自分の時間
10. AIが相談相手 調べものも悩みもまずAIに聞いてみる

情報行動の特徴|検索の前にタグ、迷ったらAI

飲食店はInstagramのタグと保存数で選び、家電のような比較が必要な買い物ではじめて検索エンジンに戻る。研究員たちの調べ方は、目的によって道具を使い分ける二刀流です。ググらない世代と呼ばれますが、正確にはググる前にやることが増えた世代と言うほうが実態に近いと感じます。
そこに近年加わったのがAIです。操作の手順から人間関係の相談まで、まずAIに聞いてみるという行動が、若い層ほど自然に定着しつつあります。

消費の特徴|失敗したくない、でも推しには惜しまない

タイパという言葉が三省堂の辞書編集者が選ぶ今年の新語2022で大賞に選ばれたとき、研究所ではむしろ遅いくらいだと話題になりました。動画は倍速、映画は事前にレビューで結末の傾向まで確認。時間の投資に失敗したくないという感覚は、タイパ消費としてこの世代の消費行動の軸になっています。
一方で、財布のひもは固いのに、推しのライブ遠征やグッズにはためらいがありません。節約と散財ではなく、意味を感じる対象への集中投資。これがZ世代の金銭感覚の正体です。

人間関係と発信の特徴|見せる相手を細かく選ぶ

SNSで何でも公開する世代というイメージは、実際の行動と大きくずれています。フィードへの投稿は年々減り、24時間で消えるストーリーズや、選んだ相手にしか見えない親しい友達機能が主戦場になりました。
アカウントも一つではありません。本アカ、趣味アカ、鍵つきの裏アカ。相手ごとに自分の見せ方を変えるのは、二面性ではなく、教室とバイト先で顔を使い分けるのと同じ社会的な作法です。この距離感の設計こそ、Z世代の価値観を読み解く鍵になります。

仕事観の特徴|頑張らないのではなく、消耗しない

出世や高収入への意欲が低いと言われますが、研究員たちと話すと、怠けたいという声はほとんど出てきません。出てくるのは、心身を削ってまで昇進する意味が見えないという冷静な損得勘定です。管理職の忙しさと報酬を天秤にかけ、割に合わないと判断しているだけで、意味を感じる仕事には驚くほど熱心に取り組みます。

Z世代の特徴にまつわる誤解|くくった瞬間に見えなくなるもの

最後に、この10の共通点自体への注意です。Z世代という言葉が2021年の新語・流行語大賞トップテンに選ばれて以降、日本ではあらゆる若者現象がこの一語で説明されるようになりました。しかし14歳の中学生と29歳の会社員では、使うアプリも財布の中身もまるで違います。

共通点は地図であって、目的地ではありません。研究所では、Z世代の特徴は仮説を立てるための入口として使い、結論は必ず目の前の一人ひとりの声から引き出すようにしています。世代でくくった瞬間に見えなくなる個人差にこそ、商品開発のヒントは眠っているからです。

若者研究所では、現役の学生研究員へのグループインタビューや定点調査を通じて、Z世代の特徴の先にある一人ひとりの本音を企業のマーケティングと商品開発につないでいます。若者リサーチのご依頼お問い合わせはお気軽にどうぞ。

よくある質問

Z世代の一番の特徴は何ですか?

物心つく頃からスマートフォンとSNSがあった環境で育ったことです。検索より先にSNSのタグで情報を集め、買う前に口コミで答え合わせをし、悩みはAIにも相談する。上の世代が後から身につけた習慣を、はじめから標準装備している点が最大の特徴です。

Z世代はSNSで何でも公開するのではないですか?

実際は逆で、発信の中心は24時間で消えるストーリーズや親しい友達機能などの限定公開です。フィードへの投稿は減っており、複数のアカウントを相手ごとに使い分けて、見せる自分を細かく設計しています。

Z世代の特徴は全員に当てはまりますか?

当てはまりません。Z世代には14歳から29歳前後までの幅があり、中学生と社会人では生活も消費もまるで違います。共通点はあくまで仮説の入口で、実際の施策は目の前の当事者の声を確かめてから決めることが大切です。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。

この記事の監修者

三上広葉
三上 広葉 | 若者の研究所 所長

2025年より株式会社バイデンハウス取締役。バイデンハウスの飲料・食料、美容・コスメ、SNSのリーダーシップ。Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。

この記事を書いた人

石崎 健人

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。