α世代とZ世代の違い|育った環境から価値観まで7つの視点で比較

Z世代の次に来るのがα世代です。と言ってしまえば一言で済むのですが、実際に両者を並べてみると、年齢の差だけでは説明できない断層があります。スマホを途中から手に入れた世代と、生まれたときから家にタブレットがあった世代。研究所で学生研究員の弟や妹の話を聞いていると、その差は数年しか離れていないきょうだいの間にもくっきり現れています。

生まれ年の境界線|iPadが発売された2010年

Z世代は1990年代後半から2010年頃までに生まれた人たち、α世代は2010年以降に生まれた人たちを指します。α世代という呼び名はオーストラリアの世代研究者マーク・マッコリンドルの提唱によるもので、アルファベットのZまで使い切ったため、ギリシャ文字の最初に戻って新しい時代の始まりを表しています。
境界となる2010年は、初代iPadが発売された年でもあります。α世代はタブレットと同い年の世代なのです。定義や名前の由来はα世代の特徴で詳しく整理しています。

7つの視点の比較表|まずは全体像から

七つの視点を一枚の表に整理すると、両世代の輪郭がはっきり見えてきます。

視点 Z世代 α世代
生まれ年 1990年代後半から2010年頃 2010年から2020年代半ば
デジタル環境 小中学生でスマホデビュー 物心つく前からタブレットに触れる
教育 紙の教科書とICT活用の過渡期 GIGAスクールで1人1台端末、プログラミング必修
メディア接触 テレビの記憶はあるが主戦場はSNSと動画 テレビ習慣がない家庭も多く、動画配信が標準
親世代 X世代が中心 ミレニアル世代が中心
遊び 公園や放課後の集まりとゲーム機の併存 ロブロックスなどオンライン空間に集まる
お金 現金のお小遣いで育ち、後からキャッシュレスへ 最初からキャッシュレスが身近

デジタル環境と教育|手に入れた世代と配られた世代

Z世代にとってスマホは、ある日突然手に入る自由の象徴でした。初めてのスマホを買ってもらった日を覚えている研究員は多く、SNSのアカウント開設が思春期の通過儀礼になっています。
α世代は違います。文部科学省が2019年に打ち出したGIGAスクール構想により、小中学生には1人1台の学習用端末が配られました。2020年度からは小学校でプログラミング教育も必修になっています。デジタル機器は自分で勝ち取るものではなく、鉛筆やノートと同じように学校から支給されるもの。この出発点の違いが、デバイスへの憧れの有無という感覚差を生んでいます。

研究所でよく話題になるのは、Z世代がデジタルを特別なものとして記憶しているのに対し、α世代には空気のようにそこにある、という非対称です。憧れのない道具は、自慢の対象にもなりません。

メディア接触と遊び|テレビの残像があるかないか

Z世代はテレビ離れ世代と呼ばれながらも、家族の居間で流れていたテレビの記憶を持っています。話題のドラマやバラエティを切り抜き動画で追いかけるのは、元の文脈を知っているからこそできる楽しみ方です。
α世代になると、そもそも家にテレビ習慣がないケースが目立ちます。見るのはYouTubeと動画配信サービスで、視聴の主導権は最初から本人の側にあります。
遊びの場所も変わりました。Z世代の子ども時代は公園とゲーム機が併存していましたが、α世代はロブロックスやマインクラフトのようなオンライン空間に放課後の友達と集まります。遊び場が物理空間から、ログインする場所へ移ったわけです。

親世代とお金|X世代の子とミレニアル世代の子

Z世代の親はX世代が中心です。自身はアナログで育ち、デジタルには慎重な距離感を持つ親が多いため、スマホの利用時間をめぐる親子の攻防がZ世代の思い出話の定番になっています。
α世代の親はミレニアル世代。自らSNSを使いこなし、子どもの写真を発信することへの抵抗も薄い世代です。生まれた瞬間からネット上に足跡がある子どもたち、と言い換えることもできます。
お金の感覚も対照的です。Z世代は現金のお小遣いで金銭感覚を作ってから、キャッシュレスに移行しました。α世代は交通系ICやバーコード決済が最初からあり、お年玉を電子マネーで受け取る家庭も出てきています。硬貨を数えた経験の量が価格への感度にどう影響するのか。研究所でも注視しているテーマです。

違いを踏まえて若者マーケティングをどう組み立てるか

両世代の違いは、Z世代向けの施策をそのままα世代に流用できないことを意味します。SNSでのバズを狙う設計はZ世代には有効でも、α世代にはゲーム内のコミュニティやYouTubeの文脈のほうが近い。憧れを起点にした訴求より、日常に溶け込む体験設計が求められます。
一方で、両世代は地続きでもあります。Z世代の価値観を理解することは、その弟妹世代であるα世代を読み解く土台になります。あわせてα世代の消費行動もつかんでおくと、次の10年の生活者像が立体的に見えてきます。

若者研究所では、現役の学生研究員へのインタビューや定点調査を通じて、Z世代とα世代それぞれのリアルな声を企業のマーケティングと商品開発に届けています。若者リサーチのご依頼お問い合わせはお気軽にどうぞ。

よくある質問

α世代とZ世代の境目は何年生まれですか?

一般にZ世代は1990年代後半から2010年頃、α世代は2010年以降に生まれた世代を指します。境界となる2010年は初代iPadが発売された年で、生まれたときからタブレットが身近にある点がα世代の大きな特徴です。

α世代という名前の由来は何ですか?

オーストラリアの世代研究者マーク・マッコリンドルが提唱した呼び名です。世代の呼称にアルファベットのZまで使い切ったため、ギリシャ文字の最初のアルファに戻って名付けられ、新しい時代の始まりを表しています。

α世代の親はどの世代ですか?

ミレニアル世代が中心です。Z世代の親にはX世代が多いのに対し、α世代の親は自身もSNSを日常的に使うデジタルに親和的な世代で、子育てのスタイルや家庭のメディア環境にも違いが表れています。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。

この記事の監修者

三上広葉
三上 広葉 | 若者の研究所 所長

2025年より株式会社バイデンハウス取締役。バイデンハウスの飲料・食料、美容・コスメ、SNSのリーダーシップ。Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。

この記事を書いた人

石崎 健人

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。