β世代(ベータ世代)とは?2025年生まれから始まるAIネイティブ世代の定義と予測

2025年の元日に生まれた赤ちゃんには、生まれた瞬間からもう世代の名前がついています。β(ベータ)世代。Z世代でもα世代でもない、その次の世代です。
名付けたのはオーストラリアの世代研究者マーク・マクリンドル。α世代の命名者としても知られる人物で、世代研究の世界ではすでにβ世代をめぐる予測が動き始めています。まだ言葉も話せない世代に、なぜ名前がつくのか。定義から研究所としての見立てまで、順に整理します。

β世代とは|2025年から2039年ごろに生まれる世代

マクリンドル社の区分では、β世代は2025年から2039年ごろまでに生まれる子どもたちを指します。2024年生まれまでがα世代、その次がβ世代という並びです。
名前の由来はギリシャ文字。X・Y・Zと続いてきたアルファベットがZ世代で尽きたため、ギリシャ文字の最初に戻ってα、その次がβとなりました。単なる文字の都合ではなく、科学の世界で新しい発見に使われる記号を当てることで、これまでの延長線上にない時代を生きる世代だという意味が込められています。

マクリンドル社は、2035年までにβ世代が世界人口のおよそ16%を占めると予測しています。そして彼らの多くは、22世紀を自分の目で見ることになる最初の世代でもあります。

α世代との違い|生まれたときにAIがあるかどうか

α世代が始まった2010年は、初代iPadが発売された年でした。スマホとタブレットが家庭に入り込むのと同時に育ってきたのがα世代です。
一方のβ世代が生まれてくるのは、2022年のChatGPT公開を境に生成AIが一気に社会へ広がった後の世界。物心がつく前からAIがあって当たり前の環境で育つ点が、両者の決定的な違いです。

α世代 β世代
出生年の目安 2010〜2024年ごろ 2025〜2039年ごろ
親の中心 ミレニアル世代 Z世代前半とミレニアル世代後半
象徴するテクノロジー スマホ・タブレット 生成AI・音声アシスタント
幼少期の操作体験 画面をタッチする 機械と言葉で対話する

α世代が画面をタッチして操作することを空気のように覚えたとすれば、β世代は機械と言葉で話すことを空気のように覚える世代になるのかもしれません。世代区分の早見表と見比べると、技術の節目と世代の切れ目が重なってきた流れがよくわかります。

β世代の親はZ世代|親の世代交代が子育てを変える

β世代を考えるうえで見逃せないのが、親の顔ぶれです。β世代の親の中心は、Z世代の前半とミレニアル世代の後半。つまり、SNSとともに思春期を過ごした最初の世代が、これから続々と親になっていきます。
Z世代はデジタルの便利さだけでなく、SNS疲れや炎上、他人との比較のしんどさまで身をもって知っている世代です。研究員と話していても、自分の子どもの写真を安易にSNSへ載せたくないという声は珍しくありません。デジタルを知り尽くした親が、あえて子どもとデジタルの距離を設計する。そんな子育てがβ世代の標準になる可能性があります。

AIとともに育つ最初の世代|予測されるβ世代像

マクリンドル社をはじめ海外の研究機関は、β世代をAIネイティブの最初の世代と位置づけています。学びも遊びも医療も、AIによるパーソナライズが前提になった環境で育つという予測です。
同時に、気候変動や人口構造の変化といった長期の課題と、人生を通じて向き合う世代でもあります。テクノロジーの恩恵と社会課題の重さ、その両方を生まれた瞬間から引き受ける。β世代の世代経験は、このバランスの上に形づくられていくはずです。

予測はあくまで予測です。α世代もかつては「デジタルだけで育つ世代」と語られましたが、実際には外遊びもアナログな流行も手放しませんでした。β世代論の答え合わせも、これから20年がかりで進んでいきます。

まだ赤ちゃんの世代を語る意味はあるのか|研究所の視点

生まれたばかりの世代に名前をつけて論じるのは気が早い。そう感じる方は多いはずですし、その感覚は正しいものです。β世代の性格や価値観を、今の時点で断定することは誰にもできません。
それでも語る意味はあります。世代論は、本人たちが育った後に振り返るためだけのものではなく、育つ環境をつくる大人の側が先に準備するための道具でもあるからです。教育、玩具、子ども向けコンテンツ、家族向けサービス。β世代が物心つくころの市場は、いままさに設計が始まっています。

研究所として注目しているのは、β世代本人よりもまず、その親になり始めたZ世代です。Z世代の子育て観と消費行動が、β世代の最初の環境をつくります。β世代研究の入り口は、実は隣にいるZ世代の観察なのです。

名前がつくことで観察が始まり、観察が積み重なって世代の輪郭が見えてくる。α世代の特徴がこの15年で少しずつ言語化されてきた道のりを踏まえると、β世代の20年も、きっと予測より面白い方向へ転がっていくはずです。

若者研究所では、現役の学生研究員へのインタビューや定点調査を通じて、これから親世代になっていくZ世代の価値観と消費行動を追い続けています。若者リサーチのご依頼お問い合わせはお気軽にどうぞ。

よくある質問

β世代とは何年生まれの世代ですか?

オーストラリアの世代研究者マーク・マクリンドルの区分では、2025年から2039年ごろまでに生まれる子どもたちを指します。α世代の次にあたる世代で、名前はギリシャ文字のβに由来します。

β世代とα世代の違いは何ですか?

α世代はスマホやタブレットの普及とともに育った世代で、β世代は生成AIが社会に広がった後に生まれてくる世代です。生まれた時点でAIが身近にある環境で育つ点が大きな違いとされています。

β世代の親はどの世代にあたりますか?

中心となるのはZ世代の前半とミレニアル世代の後半です。SNSとともに育った世代が親になるため、子どもとデジタルの距離を意識した子育てが広がると考えられています。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。

この記事の監修者

三上広葉
三上 広葉 | 若者の研究所 所長

2025年より株式会社バイデンハウス取締役。バイデンハウスの飲料・食料、美容・コスメ、SNSのリーダーシップ。Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。

この記事を書いた人

石崎 健人

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。