Z世代のSNS利用率はどこまで高いのか|総務省データで読む2026

Z世代のSNS利用率を企画書に載せたい。取材記事の裏付けになる公的データがほしい。メディアやマーケティングの現場から、こうした相談をよく受けます。
土台に使えるのは総務省系の2つの調査です。引用できる数字そのものと、数字の裏にある研究員たちの実感をセットで整理します。

Z世代のSNS利用率|13歳から49歳まで利用目的の首位

まず押さえたいのは総務省の通信利用動向調査です。令和6年調査では、インターネットの利用目的のうち無料通話機能を含むSNSの利用が81.9%で全体の首位でした。
注目すべきは年齢階層別の内訳です。13歳から49歳までのすべての階層で、SNSの利用が利用目的の1位に立っています。つまりSNSはもはやZ世代だけのものではなく、親世代までを巻き込んだ生活インフラになっているということです。

だからこそ、利用率の高さだけを根拠にZ世代を語るのは危険です。ほぼ全員が使う道具である以上、世代の個性は利用率ではなく使い方に表れます。使い方の全体像はZ世代のSNSの使い方で読み解いています。

プラットフォーム別の利用率|XとTikTokに世代の輪郭が出る

サービス別の数字は、総務省情報通信政策研究所が毎年公表する情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査が定番です。令和6年度の報告書から、世代差が読み取りやすい数字を挙げます。

サービス 令和6年度調査の数字 読み取れること
YouTube 10代から40代で利用率が90%を超える 世代を問わない動画インフラ
X 20代の利用率が78.0%で全年代の最高 Z世代後半の情報収集の主戦場
TikTok 10代の利用率が65.7% 10代に強く偏る発見型メディア

同じZ世代でも、10代と20代で主戦場が違う点は見落とされがちです。10代はTikTok、20代はXの存在感が大きい。ひとくくりのZ世代像で企画を立てると、この数歳の差でターゲットを外します。

利用時間のデータ|10代と20代は動画視聴が100分を超える

利用率が世代を問わず高止まりした今、差がはっきり出るのは時間です。同じ令和6年度の調査では、動画投稿・共有サービスを見る平均利用時間が、平日の10代と、休日の10代および20代で100分を超えました。
ソーシャルメディアに費やす時間も、平日休日ともに10代と20代が他の世代より長いという結果です。若い世代ほど可処分時間の主導権を動画とSNSが握っており、テレビ中心の時間設計のままでは若年層に届きにくくなっています。

数字の裏側|研究員の実感で読むSNS利用のリアル

ここからは統計に写らない層の話です。若者研究所には現役の学生研究員が100人以上所属しています。彼らと話していると、利用率という数字が取りこぼしている実態が見えてきます。

アカウントは1人1つではありません。本垢、趣味垢、鍵垢と目的ごとに人格を分けるのが前提です。どの顔で何を見せるかを毎日設計しているので、利用率という数字はその総和しか写していないと感じます。

研究員の声を拾うと、数字の解像度が一段上がります。

  • 検索の起点が検索エンジンではなくSNSの検索窓になっている
  • 投稿はしない見る専が多く、利用率の高さは発信者の多さを意味しない
  • 同じアプリでも10代と20代では開く時間帯も目的も違う
  • 流行のアプリを使っていても、熱量の中心は特定の界隈に閉じている

データを引用するときの注意点|利用率と熱量は別物

公的統計を使うときは、つまずきやすいポイントが3つあります。
1つ目は年度のずれです。令和6年度の調査結果が公表されるのは翌年なので、資料に載せる年号は調査時点と公表時点を区別する必要があります。2つ目は利用率の定義です。利用率はあくまで使っている人の割合で、熱量や滞在時間までは示してくれません。3つ目は複数アカウントの存在です。1人が何役も使い分ける実態は、利用率にも利用者数にも写りません。

公的統計と一次調査の組み合わせ方

おすすめの型はシンプルです。市場の全体像は総務省の統計で押さえ、なぜそう使うのかという動機の部分は当事者への一次調査で埋める。この二層で組むと、企画書も記事も説得力が変わります。SNSの使い方の質的な変化とあわせて読むと、数字の背景がつかみやすくなります。

若者研究所では、現役の学生研究員によるグループインタビューや定点調査で、公的統計だけでは届かない若者のリアルを掘り起こしています。若者リサーチの依頼お問い合わせはお気軽にどうぞ。

よくある質問

Z世代のSNS利用率はどのくらいですか?

総務省の令和6年通信利用動向調査では、インターネットの利用目的のうちSNSの利用が81.9%と首位で、13歳から49歳の各年齢階層でも1位でした。10代と20代では利用は日常の前提になっており、使うかどうかより、どう使うかに世代差が表れます。

Z世代に人気のSNSはどれですか?

総務省情報通信政策研究所の令和6年度調査では、YouTubeは10代から40代で利用率が90%を超え、Xは20代の78.0%が全年代で最高、TikTokは10代の65.7%が突出しています。同じZ世代でも10代と20代で主戦場が異なる点が特徴です。

SNS利用率のデータを引用するときの注意点はありますか?

調査時点と公表時点の年のずれ、利用率が熱量や利用時間まで示さないこと、複数アカウントの使い分けが数字に写らないことの3点に注意が必要です。全体像は公的統計で押さえ、動機や実感は当事者への一次調査で補うと精度が上がります。

この記事を書いた人

石崎健人
石崎 健人 | 株式会社バイデンハウス マネージング・ディレクター

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。

この記事の監修者

三上広葉
三上 広葉 | 若者の研究所 所長

2025年より株式会社バイデンハウス取締役。バイデンハウスの飲料・食料、美容・コスメ、SNSのリーダーシップ。Z世代、サブカルチャー、海外トレンドへの幅広い知見を強みにZ世代マーケティングの支援を得意とする。

この記事を書いた人

石崎 健人

外資系コンサルティング・ファーム等を経て現職。バイデンハウスの消費財、ラグジュアリー、テクノロジー領域のリーダーシップ。生活者への鋭い観察眼と洞察力を強みに、生活者インサイトの提供を得意とする。2022年より株式会社バイデンハウス代表取締役。2025年よりインタビュールーム株式会社(リサート)取締役。リサート所属モデレーター。